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2006年08月06日

どういった場で活躍できるのか?

消費生活アドバイザーは、商品やサービスが存在するところ全てが活動の対象となりますので、国や地方自治体などの行政の他、公共団体、電機関係、デパート、スーパー、食品関係、電力・ガス等、住宅関係、学校、病院関係、商品テスト機関、情報サービス、薬品関係、化粧品関係など、その活躍の場は多岐にわたっています。

実際の仕事として一番多いのは、企業や行政などの消費者窓口、次いで取材調査や広報、商品開発、商品テスト、企画、消費者教育などと続きます。

資格を取得した殆どの人がその目的として「自己啓発のため」としており、その内訳には専業主婦から脱出したいという主婦層が多く、企業や自治体側でも、契約問題や悪徳商法などの消費者トラブルや、高齢化社会問題や環境問題に配慮した商品づくりやサービスなどへの対応から、消費生活アドバイザーの資格取得者を広く求めている所も増えてきていますので、生活に密着した主婦としての経験をもって企業発展への寄与ができる職業といえるでしょう。

採用形態について

消費生活アドバイザーの採用形態は、正社員の他、嘱託や準職員(準社員)、非常勤職員(パート)、業務委託などとなっています。

正社員での採用形態は3割程度にとどまっていますが、これは正社員としての需要が少ないからではなく消費生活アドバイザーの資格取得者の多くが主婦ということもあり、正社員よりも融通の利く勤務時間である採用形態を求めているためだと言われています。

また、勤務する時間帯もフルタイム勤務の他、1日のうちの決まった時間帯だけの勤務や、週のうち決められた日数(2~5日)だけの勤務などさまざまとなっています。

平均収入も、正社員の場合は年収でおおよそ300万~500万、平均時給では1,300円前後が最も多いようですが、勤務先や勤務形態などによって異なっています。

試験概要について

消費生活アドバイザーの試験概要については以下の通りです。

【受験資格】なし
【受験料】12,600円
【試験の日程】
●受験願書発売(\350)  7月上旬~8月下旬
●受験願書受付      8月上旬~8月下旬
●第一次試験       10月上旬
●第一次試験合格発表  11月上旬
●第二次試験       11月下旬
●第二次試験合格発表  翌年2月上旬

【願書提出方法】郵送のみ
【試験地】札幌市、東京都、名古屋市、大阪市、福岡市(平成18年度)

【試験内容】
●第一次試験:択一式の筆記試験
消費者問題、消費者のための行政・法律知識、消費者のための経済知識(経済一般知識、企業経営一般知識、生活経済、経済統計と調査方法の知識、地球環境問題・エネルギー需給)、生活基礎知識(医療と健康、社会保険と福祉、余暇生活、衣服と生活、食生活と健康、住生活と快適空間、商品・サービスの品質と安全性、広告と表示、暮らしと情報)から出題。
●第二次試験:(第一次試験合格者に対して)論文と面接
一次試験範囲からの出題を2グループに分け、各グループ(1グループにつき4題)より1題ずつ選択し、記述します。

【問い合わせ先】
(財)日本産業協会 
〒101-0047 東京都千代田区内神田2-11-1 島田ビル3階
TEL:03-3256-7731(代)  FAX:03-3256-3010
ホームページ:http://www.nissankyo.or.jp/adv/ad200.html

資格について

消費生活アドバイザーの資格は、経済産業大臣認定の技能審査(試験)に合格し、なおかつ一定の要件を満たした者について付与されます。

消費生活アドバイザーの最終試験合格者は消費生活アドバイザーの称号と消費生活アドバイザー証の交付が受けられますが、称号付与には合格証交付の翌々年度中までに以下の要件を満たす必要があります。

●実務経験※を有することを証明する経歴書の提出
実務経験とは、国または地方公共団体、企業、各種団体で、消費者に直接対応する業務(販売部門を含む)、消費者向け広報に関する業務、消費者関連製品の開発・企画に関する業務、消費者関連商品テストに関する業務、上記に関連する業務で協会が消費者関連部門と判断した業務などの消費者関連部門に1年以上にわたり週2日以上従事した経験となっています。

●協会が実施する実務研修※を修了したことを証明する実務研修修了証の提出
協会が実施する実務研修は、実務経験を有しない希望者に対して行われます。(5日間程度)

称号付与の要件を満たし、第2次試験合格証受領日の翌日以降翌々年度末までの間に申請手数料(\10,500)とともに申請した人は、(財)日本産業協会の消費生活アドバイザー名簿に登録後、消費生活アドバイザーの称号と消費生活アドバイザー証が交付されます。

消費生活アドバイザー証は有効期限が原則5年となっており、更新制をとっていますので、有効期限の前1年以内に再取得研修を受講し、修了すれば新たに消費生活アドバイザー証が交付されます。

消費生活アドバイザーの称号は、消費生活アドバイザーの信用を著しく傷つけた場合などに消費生活アドバイザー資格審査委員会によって剥奪され、名簿の登録も抹消されます。

消費生活コンサルタント

消費生活コンサルタントとは、消費者問題における各分野の専門知識、解決能力、判断力などをもち、消費者のリーダー的な存在となって消費者主権の確立を目指し、消費者の利益擁護のための活動を行います。

消費生活コンサルタントの資格取得は、(財)日本消費者協会が主催する養成講座を受講し、修了すると得られます。

資格取得者の半数以上が各地の消費生活センターの相談員として働いており、国や公共団体の審議会の委員となっている人もいる他、企業や学校など幅広い場で活動しています。


資格取得についての主な概要は次の通りです。

【応募資格】
なし。一般消費者が応募対象。(大学の専門課程程度の講義を理解できる人)
【受講料】
84,000円(税込)企業・団体等から派遣の場合は168,000円(税込)、合宿費用として別途約10,000円が必要。協会が主催する消費生活能力検定試験を受験する場合は、受験料として別途2,400円が必要。
【提出書類】
協会所定の用紙を使用した履歴書、指定されたテーマに関する論文2点を応募手数料1,000円(切手可)と共に郵送。
【受講までの流れ】
書類にて第一次審査を行い、第一次審査合格者のみ面接による第二次審査、第二次審査合格後、養成講座の受講手続を受講料納付と共に行う。

【養成講座の内容】
消費生活問題について(歴史や法律、行政など)、社会経済の現状について(保険や介護保険制度、個人情報保護法、自己破産など)、商品・サービスの基礎知識(安全性や表示、消費者問題との関係など)、消費生活問題への対応(民法、消費者契約法、電子商取引についてなど)、実務・実習(小論文の作成や統計データの見方、グループ作業による報告書作成や討議、発表など)、その他(合宿、見学:裁判所傍聴など)

【問い合わせ先】
(財)日本消費者協会 教育企画部 消費生活コンサルタント養成講座係
〒101-0061 東京都千代田区三崎町1-3-12 水道橋ビル9階
TEL:03-5282-5311(代)FAX:03-5282-5315
ホームページ:http://www1.sphere.ne.jp/jca-home/

2006年08月07日

消費生活専門相談員

消費生活専門相談員は、行政の相談員として必要な一定の水準以上の知識や能力を修得している人を認定するための資格で、内閣総理大臣の認可事業であり、独立行政法人国民生活センターの理事長が認定し、資格を与えるものです。

資格は5年毎の更新制となっており、資格取得者の多くは、行政や国民生活センターの消費生活相談室で働いています。

試験の概要については次の通りです。(平成18年度の場合)

【受験資格】
なし。
【試験内容】
●第一次試験:択一式および○×式筆記試験(解答はマークシート方式)と論文試験
消費者問題にかかわる一般常識、消費者行政にかかわる知識、消費者問題にかかわる基礎的な法律知識、消費経済にかかわる経済知識、商品・サービスにかかわる知識、消費生活相談の基礎的知識
●第二次試験:面接
【試験日程】
●第一次試験       9月下旬
●第一次試験合格者発表  11月上旬
●第二次試験       11月中旬~下旬(試験地によって異なる)
●第二次試験合格者発表  12月下旬
●資格認定        翌年1月中旬
【試験料】
11,080円(郵便口座に払込のこと。現金は認めていない)
【認定証交付について】
資格認定者には、認定証(カードサイズ、プラスチック製)が交付。(交付手数料1,800円が必要)希望者のみ認定証書(A3賞状型)を交付(別途2,300円必要)。
【試験の一部免除について】
●消費生活相談員養成講座修了者(独立行政法人国民生活センターが実施)。
●平成17年度の第一次試験合格者は、平成18年度の第一次試験を免除。
●地方公共団体等において現に消費生活相談員として勤務している者、および認定後3カ月以内に消費生活相談員として採用されることが決まっている者は、当該地方公共団体等の所属長(消費者行政担当課長、消費生活センター所長等)からの推薦状(所定の様式)の提出により第2次試験が免除。

【問い合わせ先】
独立行政法人国民生活センター資格制度事務局
〒229-0029
神奈川県相模原市弥栄3-1-1
TEL:042-758-3164
ホームページ:http://www.kokusen.go.jp/

消費生活アドバイザーの生まれた背景

第二次世界大戦後、日本の社会は、企業による技術革新によって飛躍的に生産力が高まり、日本に高度経済成長をもたらしました。

しかし、様々な商品が次々と生まれていく一方で、それを購入する消費者に対する情報提供が十分でなかったり、消費者の知識が技術の発展に追いつかないため、正しい商品知識を得ることができないという事態が起こりはじめました。

このことが背景となりトラブルや事故が消費者に増えていきました。
粗悪品の流通や、企業の説明が足りない製品によって、消費者が思いもよらぬ損害を受けるようになったのです。しかし、そのような問題が起こり始めた当時は、消費者を保護するための法律がまだ整備されていなかったため、問題への対応もままならないものでした。

そのため、噴出する消費者トラブルを軽減するため、消費者の立場からいくつかの消費者団体が設立されました。しかし、それでも、力のある企業と比べ消費者の立場は低いものでした。

やがて、アメリカ(1962年にケネディ大統領の『消費者保護に関する特別教書』を発表)やヨーロッパと比較して、日本の消費者行政の遅れが認識され始めた1968年に消費者保護基本法が施行され、それに伴い消費者に対する様々な法律がつくられ始めました。

1969年に通産省が「業界における苦情処理体制の整備について」という通達を各事業者に出したことにより、各企業は消費者対応窓口を設置し始めました。さらに、1974年に起こったオイルショックにより、企業の危機感がまし、消費者対応窓口の設置が激増しました。

しかし、そのような窓口は、一方通行なものが多く、消費者と企業との掛け橋になる存在はまだ不足していました。その頃、アメリカでは、消費者と企業の紛争を仲裁する第三者機関が数多く設立されており、日本でも消費者と企業の間に立って消費者の意向を企業活動に反映させるための中立的な立場の人材を育成しようという声がしだいに高まってきました。

こうした社会的背景から、1979年に通産省は「企業と消費者のコミュニケーション-企業と消費者の橋渡しをする消費生活アドバイザーの認定基準などについて」と題したレポートを発表し、消費生活アドバイザーの資格制度が創設されることとなりました。

以後、今日までの間には、消費のあり方や消費問題についても変化が訪れ、また、消費関連法案や消費関連資格も新しいものができ、社会環境や生活環境、経済環境も大きく変化しました。

1995年に施行されたPL法(製造物責任法)は、製造物に欠陥が見つかった場合、故意や過失の有無を問わず企業側に責任をとらせるというもので、消費者主導の象徴となっている法律です。

現在は、環境や高齢化社会に配慮した商品などもあらわれる一方、悪徳商法なども横行しており、消費はますます複雑化しています。企業側をとりまく状況も厳しいものとなっており、無駄な商品づくりや投資はできるだけ抑えなくてはなりません。

消費者感覚を持ち、かつ企業側の事情にも通じている消費生活アドバイザーは、ますますその活躍が期待されています。

2006年08月08日

法律知識

【法律知識】
消費生活に関する法律を学びます。
消費者行政の基本である消費者保護基本法や消費者問題に関係している法律の理解に勉め、新法や法改正、現行法の問題点などを、社会背景と消費者問題、法律の制定と関連付けて学習します。

出題分野は次の通りです。
●消費者保護基本法の目的と内容
●消費者問題とかかわりのある民法
●消費者保護関係主要法令の目的と内容
●独占禁止法と消費者保護の関連について
●消費者紛争の解決に関する諸制度

また、消費者問題に関係する主な法律には、次のようなものがあります。

●自治体の消費者保護条例
●消費者の安全確保に関する法律
食品衛生法、農薬取締法、飼料の安全性の確保および品質の改善に関する法律、薬事法、化学物質の審査および製造等の規制に関する法律、ガス事業法、消費生活用製品安全法、電気用品取締法、有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律、道路運送車両法、建築基準法、消防法、
●商品の適正な計量、規格、表示についての法律
計量法、工業標準化法(JISマーク制度)、農林物資の規格化および品質表示の適正化の関する法律、家庭用品品質表示法、栄養改善法
●消費者取引の適正化を図るための公正・自由な競争の確保に関する法律
独占禁止法(私的独占の禁止、カルテルの禁止、不公正な取引方法の禁止)
景品表示法(不当な景品類の提供の規制、不当な表示規制、違反行為の規制方法、公正競争規約制度など)
●消費者と企業の間で行われる取引についての消費者私法(契約に不慣れな消費者のために民法の原則を修正している法律)
貸金業規制法、無限連鎖講の防止に関する法律、ゴルフ場等にかかわる会員契約の適正化に関する法律、海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律、訪問販売法、特定商品の預託等取引に関する法律、宅地建物取引業法
●商品を購入する際の分割払いに対して、取引の適正化を図るために規定を定めている割賦販売法
●消費者私法をすり抜ける悪徳業者との問題の解決や、悪徳業者による被害の救済についての民法(クーリングオフ制度など)
●製造物責任法(PL法)、民事訴訟法、破産法など

経済一般知識、企業経営一般知識

【経済一般知識】
簡単な経済基礎理論や経済用語の理解に勉めます。
日本経済と世界経済の動き、国の経済政策などを消費生活の観点から学びます。

出題分野は次の通りです。
●国民経済の循環と成長における企業、消費者、政府の役割
●国民の暮らしと財政の関係
●産業活動の仕組みと消費者に及ぼす作用
●物価の仕組み
●自己資本比率について
●家計での消費支出の決定メカニズムと消費者行動

また、次のような用語や基礎知識についても理解をしておく必要があります。
●国民所得分析や価格分析
●財政制度(会計年度独立の原則、健全財政主義、地方交付税交付金制度、財政投融資制度、税金による公共サービス、所得の再配分、景気の調整など)
●BIS基準(BISとは国際決済銀行のことであり、BISが定めている国際業務を行う銀行が守るべき基準)
●金融(通貨量や利子率の決まり方など)
●インフレーションのさまざまな原因
●需要と供給の法則、需要の価格弾力性、限界消費性向と限界貯蓄性向、
●産業構造の変化についてと独占
●日本と各国の経済事情
●資本主義経済における独占の歴史とその形

【企業経営一般知識】
企業の経営原理や経営分析、組織、経営計画企業経営の問題点などについて学びます。
企業経営に影響を及ぼす企業内外の変化の要因をよく検討し、企業活動や動向について理解しなくてはなりません。

出題分野は次の通りです。
●企業の役割
●経営原理
●意思決定とコミュニケーション
●経営企画
●企業経営の問題点

また、次のように企業経営に関する基礎的な知識や用語についても理解しておきます。
●貿易など企業の国際的関係
●企業と国家(国民総生産についてなど)
●株主総会・取締役会(役割や権利、義務など)
●企業の法規則(企業に課せられている法律規制)
●経営者の意思決定
●消費者に対する役割(消費者相談窓口など)
●収益性(純資本利益率など)、健全性(自己資本における有形固定資産の固定比率など)
●マーケティングに基づく成長性について
●社会性(社会貢献活動や企業の文化的貢献活動など)
●ディスクロージャー(情報開示)、コンプライアンス(法律厳守)
●損益分岐点、損益計算書、流動性、自己資本比率、貸借対照表、経常利益、資本と売上高、ラインとスタッフについて

また、製造物責任(PL)や雇用制度の変革、育児休業法、株主代表訴訟、品質管理、消費者志向優良企業表彰制度など、消費者に深くかかわりのある用語についても理解しておきます。

生活経済、経済統計と調査方法の知識

【生活経済】
日常生活に密着した経済である家庭経済の基本(収入、支出、資産、貯蓄、税)について学びます。
家計運営に影響を与える社会環境の変化や家族の価値観、生活条件の変化(家族構成など)に応じた資産管理や将来計画の立て方、ライフサイクルに応じた家計管理、生涯にわたる家計収支、貯蓄計画を中心にした長期生活設計と現在の消費生活を中心とした短期生活設計について、社会経済と家計の関係などについて深く考えます。

出題分野は次の通りです。
●健全な家計や個人の収支構造
●合理的な消費支出、資金計画、資産形成
●諸資源の有効な利用法
●社会構造変化を考えた生活設計について

また、可処分所得や収支項目分類、消費構造、生命保険、税金(国税と地方税、直接税と間接税など)、多重債務、自己破産、家庭の資源(貨幣や物資、時間、エネルギー、サービス、知識など)、高齢化と年金改正、年金制度の課題、出生率などについての知識も必要となります。

【経済統計と調査方法の知識】
国勢調査や家計調査、消費動向調査、貯蓄動向調査、消費者物価指数、有効求人倍率、完全失業率、国民総生産、国内総生産、マネーサプライ(通貨供給量)など、暮らしや家計にかかわる統計や基礎的な調査方法について学び、基本用語の暗記と内容の理解や、経済データの持つ意味と作成者の意図を読み取ることが求められます。

試験には、統計学の基礎的知識と経済指標による応用問題、指標データの見方、指標の問題点や独特の癖などが出題されています。

出題分野は次の通りです。
●国や地方公共団体が実施している各種調査の内容とその特色(全数調査、標本調査、データ無作為抽出法、等間隔抽出法、二段抽出法、層別抽出法など)
●調査の企画や作成に関する基礎的事項(官庁統計と民間統計、第1次統計と第2次統計、静態統計と動態統計、標準分類、平均値、最頻値、中位数、範囲、分散、標準偏差など)
●データ収集の方法と特色(質問法、観察法、実験法、郵送調査法、留置調査法、電話調査法、個人面接法、集団面接法など)
●データの分析方法

2006年08月09日

地球環境問題・エネルギー需給、医療と健康、社会保険と福祉、余暇生活、衣服と生活

【地球環境問題・エネルギー需給】
オゾン層破壊や地球温暖化など地球規模の問題、水質、ごみ問題、エネルギー資源の問題など幅広く学びます。

【医療と健康、社会保険と福祉、余暇生活】
社会情勢の変化の影響を受けやすい分野ですので、常にアンテナをはっておき、情報を取り入れることが必要です。
介護保険や医療保険、公的年金など少子高齢化の影響を受けやすいもの、国民の健康に配慮した健康増進法などがポイントとなっています。

【衣服と生活】
衣服に関する基礎知識を学びます。

出題分野は次の通りです。
●被服の材質と機能
●衣服のつくり方
●被服の手入れと保管
●服飾のデザインと表現性
●衣服の安全性と問題点について
●今後の衣生活について

また、次に挙げている衣服に関する基礎知識の理解も必要となります。
●衣服に使用されている素材と加工、その特性(天然繊維、合成繊維、再生繊維、半合成繊維、無機繊維、天然染料、合成染料、浸染、捺染、紡績、織物の組織、ウォッシャブル加工、透湿防水加工、撥水・はつ油加工など)
●品質(繊維を改質、改良するための化学物質による問題、手入れ時の品質トラブルなど)
●消費性能
●表示(家庭用品品質表示法、品質表示、工業規格、原産国表示など)
●洗濯、クリーニング、(洗剤やクリーニング溶剤による環境への影響、クリーニングトラブル、クリーニング事故賠償基準など)
●リサイクルについて
●不当景品類および不当表示防止法(不当な価格設定や表示に対する規制など)
●繊維製品に使用されている加工剤の安全性を確保するための規制(有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律)
●消防法(政令で定めている防火対象建築物で使用するカーテンやカーペットなどは、防炎性素材を用いると決められている)
生産・流通(衣服の企画、生産、出荷に至る工程について)

食生活と健康、住生活と快適空間、商品・サービスの品質と安全性、広告と表示

【食生活と健康】
食品の栄養素や機能、食品表示や規格、安全性、食品の内外価格差、輸入食品の実態などの基礎知識を食生活に結び付けて学びますが、試験には内容的に高度な問題が出題されますので、新聞やニュース、雑誌などで最新の情報をつかむことも大切です。

出題分野は次の通りです。
●食品と栄養に関する知識(栄養素と必要な栄養所要量などの栄養学)
●食品の衛生(生産・製造・保存・流通面・家庭での調理による衛生について、食中毒、抗菌性物質、水道水質基準についてなど)
●食品の安全性(食品表示と規格、その背景にある法律・条例、食品添加物、化学合成添加物、天然添加物、農薬、ポストハーベスト農薬、放射線照射食品、バイオテクノロジー、農薬や食品添加物の安全性確認のための試験など)
●調理法
●今後の食生活について(国民栄養調査、バイオテクノロジーによる新しい食品、食糧需給表、これからの食生活と世界情勢との関連についてなど)

また、食品材料や加工食品(冷凍食品、レトルト食品、加圧食品、無菌包装食品、コピー食品)、輸入食品、特定保健用食品、食品の貯蔵方法、流通形態、ごみや容器などのリサイクルに関する環境問題などについての理解も必要です。

【住生活と快適空間】
エネルギー問題や高齢化、環境問題、シックハウス症候群など、社会や環境、経済の変化に対応した住生活を送るための幅広い知識を修得します。

出題分野は次の通りです。
●住宅の選び方(建築材料、住宅の設計や家具などに関係する人間工学の知識など)
●住宅の維持や管理方法
●住宅設備と関連用品の選び方(種類や特性、家具や照明器具・絨毯・カーテン・壁紙などのインテリアについての知識、燃焼型暖房器具の種類、システムキッチン、屋内配線など)
●熱・光・音などの室内環境についての知識(熱伝導率と断熱材、結露、照度、光度、輝度、透過損失など)
●今後の住生活について(二世帯住宅や三世代同居など)

また、住宅の構造や快適な住環境に必要な設備、住生活に関する基礎的知識や専門用語、住宅に関係する法律、リフォーム、新しい機器・材質の種類・特性とその研究・技術開発、日本や西洋の住宅の歴史、日本の住宅事情と住宅産業、建築基準法、都市計画法、住生活関連マークなどについての理解も必要です。

【商品・サービスの品質と安全性、広告と表示】
商品やサービスの多様化、高度化、情報化、国際化について学びます。
新業態や法改正、新商品などの最新動向と関係が深い分野ですので、情報収集が大切です。

出題分野は次の通りです。
●衣食住生活に含まれない商品について(薬や化粧品など)
●サービスの特質
●広告と表示の関係
●包装の問題点
●アフターサービスの問題点
●消費者信用
●保険、医療など各種サービス(私保険と政策保険など)

また、消費者ローンや企業の行うマーケティング、商品やサービスを利用したときの消費者に対する影響、消費者保護の必要性と具体的施策、サービス業についての定義、サービス業の約款について、サービス経済化の進展、製品のライフサイクル、商品に関する企業戦略、リサイクルとそれに関する法律についてなどの理解も必要です。

消費者問題、行政知識

【消費者問題】
全科目の基本となる科目です。他の科目との関連性もあり、この科目は完全にマスターする必要があります。
消費者問題とは、「商品やサービスの取引によって生ずる消費者の不利益、被害にかかわる問題」のことであり、常に社会や経済の変化を反映しているものです。

出題分野は次の通りです。
●消費者問題発生の社会・経済的背景(消費者問題が発生する原因とその解決にあたっての企業、消費者、行政との関係)
●消費者活動の歴史と現状(内外の消費者運動の歴史、特徴、国際消費者機構など)
●消費者教育(学校・行政・企業などの立場からの消費者教育への取り組みとこれからの課題、消費者教育支援センターなど)
●企業の社会的責任と消費者対応(消費者対応窓口や消費者関連専門家会議・日本ヒーブ協会についてなど)
●今後の消費者問題(社会の高齢化、IT化、グローバル化、環境問題の分類、不況などに伴う消費者問題など)
●流通機構のあり方、商品テストの方法(苦情処理テストや試買テスト、商品比較テストなど)

試験では、消費者問題の基本知識と最近の動向についても問われますので、問題意識をもちながら時事問題を新聞やニュースなどでチェックしておきましょう。

【行政知識】
消費者と事業者の間のルールを整備して、調整を図る目的で展開されている行政知識を学びます。
消費者行政の歴史や、現在実施されている施策の内容、行政機構、法律や制度の概略、今後の課題、国や地方自治体の苦情処理体制、諸外国の消費者行政などを学びます。

出題分野は次の通りです。
●国、地方自治体の消費者行政
●国、地方自治体の消費者苦情処理窓口の機能(国民生活センターや消費生活センターなど)
●諸外国の消費者行政
●消費者保護会議の内容

消費者契約法の施行や食品安全委員会の設立、公益通報者保護制度、消費者保護基本法、消費者保護関連の法律と所轄官庁、消費者施策の内容(消費者安全の徹底、適切な消費者選択の確保・推進、消費者取引の適正化、消費者支援の強化)、規制緩和、商品やサービスの品質や安全性を示すマークの種類や意味など、消費者行政の変化やキーワードについても理解しておきましょう。

論文試験、面接試験

【論文試験】
論文には、知識だけでなく文章の構成力や表現力、説得力のある考察などが求められます。
日常から文章を書くことに慣れておくことが必須です。

出題は、第1グループ(消費者問題、行政知識、法律知識<2題>の4題のうちから1題を選択)、第2グループ(経済一般知識、企業経営一般知識、生活経済、地球環境問題・エネルギー需給の4題から1題を選択)の2論文を提出します。

制限時間は1論文につき60分、800文字の原稿用紙に書きます。

上手な論文を書くためのコツは
●起承結を心がける
●主語と述語の関係を明確に
●1つの文章を短く
●接続詞を正しく使う
●要点を絞り込む
●思い込みで書かない
●何度も推敲する
です。

論文は、文章を日頃から書きなれている人でないととてもキツイ作業です。
試験のために毎日、論文を書く。
のは無理でも月に1度か2度は、真剣に論文に挑戦し、誰かにそれを読んでもらうことをオススメします。

【面接試験】
面接は、試験官3人、受験者1人という形で行われます。

面接で多い質問は、受験動機や資格取得後のビジョンについてなどです。
●なぜ受験したのか?
●合格したら、どうするのか?
●受験勉強で学んだものは何か?
いきあたりばったりで質問に答えるのは、よほど喋りがたつ人ではないと難しいと思いますので、これらの質問に対して、自分の言葉でわかりやすく答えられるように用意しておくことをオススメします。

面接時の注意事項は次の通りです。
●にこやかにはっきり応答し、明るく、さわやかな印象を与える。
●応答は簡潔に、下を向かず面接官の顔を見て答える。
●面接中は落ち着いて、キョロキョロしない。
●身だしなみは清潔に。
●面接室に入室する時は「失礼致します」、面接終了時には立ち上がって「ありがとうございました」と言い、礼をする。
●感情的な発言は避ける